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感想:『鼻行類 ―新しく発見された哺乳類の構造と生活』


『鼻行類 ―新しく発見された哺乳類の構造と生活』
(著:ハラルト・シュテュンプケ 訳: 日高敏隆・羽田節子、平凡社)


 真面目に巫山戯ることの面白さを堪能できる一冊。
 知的好奇心を刺激されるだけでなく、端々に見受けられる奇抜なまでの独創性がスパイスとなって、冗長な生物学書に留まらせまいと設計されているのが面白い。
 ファンタジー作品の多くは非現実の世界という免罪符により、物理学的事象や文化の在り様、あるいは自然界の生態系など、舞台となる世界を突き詰めて描くことは稀だが、『鼻行類』のように突き詰めて想像を重ねていけばきっと興味深いものが出来上がるだろうと考えると、勿体無いなと思える。
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