感想:『夢判断』 『夢判断』(著:阿刀田高、新潮文庫) ■ 収録作品 ・「あの人をころして」 ・「柳の下のジンクス」 ・「銀座の恋の物語」 ・「密の匂い」 ・「ベター・ハーフ」 ・「殺意」 ・「海が呼ぶ」 ・「凶事」 ・「自殺クラブ」 ・「紅白梅の女」 ・「演技」 ・「夢判断」 ・「干魚と漏電」 ・「勝ち馬情報」 ミステリーまたはオカルト寄りの作品が主な短編集。 起承転までの流れは簡潔に、結の部分で意外な展開に持ち込むのが基本形。 「あの人を殺して」や「干魚と漏電」はミステリーとしてトリック、解決までの流れがユニークで面白かった。一方、「夢判断」の「赤い夢を見ると夢の内容に応じた凶事が起こる」という法則など、オカルト系の話は超能力や霊的な力による法則(またはただの偶然)を主題にしている作品が多く、短編という形式も相まって説得力不足の感が強い印象。 PR