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感想:『禁じられた遊び』


『禁じられた遊び』(著:フランソワ・ポワイエ 、訳:花輪莞爾、角川文庫)



 当時のフランスに於けるキリスト教への信仰に関する知識がないので、正確な解読はできないが、戦災の厳しい現実の下、宗教がもたらし得る心の救済を描いているように感じた。
 また、大人と子供を対比することで、真心の伴わない信仰を批判している点が印象的だった。

 ギター独奏曲「愛のロマンス」でも有名な映画の方は見たことがないが、Wikipediaを読むかぎりラストの展開など小説とは大きく異なるようだ。
 映画ではポーレットが孤児院に引き取られることでミッシェルと引き離される幕切れだが、小説ではミッシェルは事故で死んでしまう。ポーレットは独りでミッシェルを弔った後、戦災によって家や財産、家族を失った人々と死体で溢れていた冒頭の大通りを目指して歩き出すという描写で終わっている。
 小説は初めて理解する死による死生観、映画は生きている人と人とのつながりを重視しているだろうか。個人的にはただ引き離されるだけというのは普遍的なボーイ・ミーツ・ガールにおける悲劇的結末のようで物足りなく思う。
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