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感想:『金色夜叉』


『金色夜叉』(著:尾崎紅葉 、新潮文庫)



 明治30年1月1日から35年5月11日にわたって読売新聞に断続しながら連載された明治文学の代表作。
 許嫁である鴫沢宮が結婚間近にして心変わりし別人に嫁いだ為に自棄になり、非情な高利貸しの手代となった主人公の物語。雅趣に富む地の文ばかりでなく、激情の熱気を感じるほど会話文がは素晴らしいの一言。
 ただ、主要登場人物に関しては、気持ちは分からなくもないがエゴイズムの押し付けが強く、倒錯的というまでに自分の理念を曲げないので感情移入し難いのが難点。愛を主題の一つとしながら、相手の人格を尊重することが少ないように感じたが、これは時代の違いからだろうか。
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