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感想:『雪国』


『雪国』(著:川端康成、新潮文庫)



 妻子を持つ男が逗留先である雪国の温泉街で不倫する話。物語として大きく起承転結があるわけではないが、雪国の景色と繋ぎ合わされた女性美や純心が清く切ない。作者独自の感性から描かれる情交の模様は、恋心や背徳感などの普遍的な言葉を以って解説することが難しい。
 ヒロインの描写に関しては、駒子は高い体温と身に秘めた情熱、葉子は「悲しいほど美しい声」と献身していた男に先立たれる境遇というように、身体の特徴と精神面の在り様を関連付けて同時に描くことでより効果的に場面を演出する手法が印象的であった。
 人間の生とその美しさを描いた作品としては、読後第一の印象は驚愕の一言となる程までに高い完成度を誇る。
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